あと15分でスーパーが閉まってしまう。急いで返ろう。
そして家に向かって自転車を走らせた。そんな夜のこと。。

「また行きすぎた。神楽坂マジ勘弁w」

そう呟いてチャリを反転させ、元来た道を引き返し、1本前の通りを曲がった。
しかしその道もまた見覚えが無いことに気付いた頃には、すでに5分が経過していた。

昨日から花粉症のせいでティッシュの消費量が多く、全て使い切っていた。
コンビニよりスーパーのが圧倒的に安いので、手に入れるにはスーパーの閉店時間に間に合うしかない。
なので『引き返して知ってる道に戻る』という選択肢は既に無かったのである。

ポツ、ポツ。

「うわ雨降ってきた。うぜー。」

自転車のスピードを上げる。上り坂だが頑張れば登りきれそうなので気合いを入れる。
そして道は下り坂に入る。すでに雨は本降りとなっていた。
車の数も少ないこともあり、車道をスピードを出して飛ばしていく。
横目に知らない地下鉄の駅を何度も通り過ぎていたが、方向的には大丈夫だろうと軽く受け流していた。
そう、首都高にぶつかれば家までたどり着けるのだ。
そしてたぶんこの方向に行けばぶつかるだろうと信じていた。

「うあー10時過ぎたー。」

タイムリミットの宣告とともに雨も強めになってくる。すでにずぶ濡れである。
そして10時5分、ついに気付いてしまった。

「ここはどこだろうか。・・・、まさか、新宿っ・・!」

そう、またこの道に来てしまったのだ。我が永遠のライバル、明治通り。(※)
すでに頭の中は自分への苛立ちで埋まり、極限に近いほどテンパッテいた。
iPODに合わせて口ずさみ、我が進行を邪魔する全てのものに悪態をつくくらいに。

ここは『知ってる道』なので、家に向かいひたすらチャリを飛ばす。
それなりにでかい道路で車の量もそれなりではあるのだが、そんなことは関係ない。
ただ走り、ただ叫ぶ。
もはや歩道にヒトがいようがいまいが関係ない。
本能には誰も逆らえないのである。

東京って怖いわぁ〜。




以前こんなことがあった。

自転車で通う様になってまだ間もない頃、帰宅時に道標である首都高を若干外れ、裏道を入ってみた時のこと。
その時にはまだこのまま平穏に家までたどり着くと疑う余地は無いのでした。

神楽坂とかいうよく分からない人ごみの激しい急な坂道を通る。
気がついたらJR市ヶ谷駅付近。
靖国通りを通って、自衛隊の建物とか中央大学の法科大学院キャンパスとか。
そして新宿へ。ちょっとびびる。
迷走してたらダイソー発見。うれしい誤算だ。欲しかったものがいっぱい揃う。
そして首都圏の地図を見ながら現在地を確認。ここは明治通りと言うらしい。
もちろん地図は買わずに会計へ。この時点でチャリの篭はいっぱい、
仕方なく篭の上に置いて手で抑えながら発進。ちょっとテンパり始める。
新目白通りに着いたので左折。知ってる通りにやっと出たので一安心。
大学を出てから90分かけて帰宅。確か行きは16分だったんだけどなぁ。

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